臭覚と子供の頃の記憶
私は、東京都世田谷区の千歳烏山というところで育ちました。世田谷といっても、その頃はかなりの田舎で、畑も結構ありました。そんなちょっと昔のお話です。
私の家は祖父母の家の隣にあり、幼稚園の頃は、祖父母の家の庭でよく木に登ったり、ビワを採って食べたり、ミミズを池に放り込んだり、屋根で寝っ転がったり、垣根にとまっている蛾を退治したり、池のカエルをいじめたり、やりたい放題やっていました。

そんな中で、今も強く思い出すのは匂いです。きれいなところからいうと、チンチョウゲやキンモクセイの花の香り、そして、焚き火の匂い、掘りごたつ用の練炭に新聞紙を燃やして火を付ける匂い、サンショウの枝のアゲハの幼虫がオレンジ色のツノを出した時の匂い、干したお布団の匂い、池のかいぼりの生臭い匂い、叱られてよく閉じ込められた納屋のカビ臭さなどなどです。(バキュームカーの臭いもあった、、、)それらの匂いと混ざって、温かさや寒さまで感じることができるような気がします。
皆さんにも匂いの記憶ありますよね。#匂いと記憶 は強く結びついています。臭覚は他の感覚と違って、記憶と感情を処理する脳の部位にまで繋がるそうです。そして呼び戻された記憶は、しばしば鮮明で、10歳以下の幼い頃のものが多いようです。(香水の香りで、昔の恋人を思い出すのとは違うのでしょう。)
ところで、#赤ちゃんの嗅覚 は、生まれた時点で大人と同じくらい鋭いそうです。視力が弱いのに、うまれてすぐママのおっぱいを探せるのは、そのためですね。そうして、ママと他の人との臭いを嗅ぎ分けられて、ママに抱っこされることだけでも安心するのでしょう。赤ちゃんが頭を預けて安心して抱っこされている姿をみると、こちらまで癒されます。

紙袋で作ったウサギのパペットと、
よもぎとあずきのカップケーキ